4月の一言

森友学園事件を二度と起こさない為に

最近話題になった森友学園事件では、忖度が問題になっている。
なぜこれほど国有地が大幅に安く払い下げられたのか。これは官僚が官邸の意向を忖度して不当に国有地を値下げしたとしか考えられない。
もっとも、官僚が政治家の意向を忖度して動く事自体はよくある事だし、法に触れない限り問題はない。しかし、この忖度を官僚に強いたのは総理夫人の秘書官である。総理夫人が私人か公人かという議論があるが、官僚から見れば公人に決まっている。なぜなら、官邸の役職として国家公務員が秘書についているからだ。
もともと総理夫人秘書官は、第一次安倍政権の時に「首相公邸連絡官」として新設され、その後は引き継がれず、第二次安倍政権の時に「内閣総理大臣夫人付」として復活した役職である。しかし日本の憲政史上、総理夫人にボディーガードはついても、秘書官はついた事はない。まさに前代未聞のおかしなポストである。しかも森友学園事件で総理夫人付は国有地の売買について財務省に問い合わせをしていた。財務省の立場からすれば、安倍総理、総理夫人、総理夫人付はイコールである。総理夫人付から電話があれば、これは総理の意向でもあるなと判断せざるを得ない。なぜならわざわざ「総理や総理夫人は了解済みですか」などと確認するような愚かな官僚はいないからである。おそらく財務省は、森友学園の件を総理下達の政治案件と捉え、出来る限り森友学園の希望に沿おうとしたと考えられる。
結果として、安倍総理が総理夫人に国家公務員をつける事で夫人の政治介入を許し、官僚が夫人を忖度するように仕向けたと言えよう。こんな権力者の横暴を許すようなシステムを作ってはならない。安倍一強体制と言われる中に、自民党内には派閥はおろか議論すらない。こうした事で官僚の忖度が極度に歪められてしまい起きたのが森友学園問題である。
この問題の本質は色々あろうが、本来日本の政治史上私人である総理夫人に国家公務員をつける事によってわざわざ公人に切り替えた結果、こうした国民の為にならない事件が起きた事を深く反省しなければならない。
そもそも権力者は己を厳しく律するという原点にかえるべきであり、直ちに国家公務員を総理夫人につけるような愚かな行政を断ち切るべき時である。
さらに言うならば、こんなおかしな制度をやめるべきという声が、国会審議でも起こらず新聞、TVの報道もなされなくなって真の権力者に対する批判をしなくなっている今日の状況が続くならば日本の前途はまこと危ういものがあると言えよう。
今回の事件を森友学園理事長の特異な体質で片付けるようなことで終わらせることなく、今や日本の政治構造の中に生まれた一極集中の権力構造を分権的な権力構造に戻し、言論の自由や民主主義が機能するかつての自由で民主的な日本の政治を再生させるきっかけとしていくべきと考える。

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