7月の一言
なぜ消費税増税法案に反対なのか?
去る6月26日、衆院本会議にて消費税増税法案の採決が行われました。私は国家国民の為に反対の一票を投じました。その理由を6月臨時号に記しましたが、改めて私の考えを申し述べます。※ 消費税増税について、いろいろな方から様々なご意見をいただいております。今回は皆様から特によく聞かれる質問についても分かりやすく回答したいと思います。
※ 消費税増税について、いろいろな方から様々なご意見をいただいております。
今回は皆様から特によく聞かれる質問についても分かりやすく回答したいと思います。
〇 消費税増税法案に反対の理由
1. 今の日本経済はデフレの状況にあります。デフレ下において消費税率を上げても税収は上がりません。
→ 財政赤字の縮小は景気を回復することにより税収の自然増を図ることしかないのです。
2. 消費税増税が先行し、その使い道は決まっていません。
→ 社会保障の中身を棚上げにして、まず消費税率を上げてから何に使うか決めますと言って先に税率を上げる税法を中心としてこの法案を通そうとしていたのです。年金、福祉、医療等の制度を整備して、その為に予算がこれだけかかる。だから税収がこれだけ必要であり〇%消費税率を上げてもらいたいというように、先に福祉の内容を決めてから、税率を決めるべきです。
実は私は消費税率を今の5%のままで福祉大国をつくれるとは思っておりません。将来的には消費税率の引き上げが必要でしょう。
消費税はある意味で、平等な税制です。すなわち、消費税は消費をする国民が等しく同額の税負担をすることになります。しかし、現在のデフレ状況下で消費税が上がれば、社会的弱者はその負担増に耐えられません。ですから、消費税率を上げるには、少なくとも増税額に対して、それが必要とされる根拠を開示すること。そして、それよりまず景気回復及び経済成長実現を優先させるべく経済基盤の充実や、東日本大震災による被災地の復旧・復興を早急に成し遂げ、加えて原発の収束、エネルギー対策、福祉環境の整備等を成し遂げる事等が必要です。そして改めてマニフェストに掲げ、国民の信を問い、信任を得て初めて消費税増税に踏み込むことが国民に許されるはずでしょう。
過去日本で消費税増税の際、税収全体では増収どころか減収となっています。平成9年に消費税率3%を2%上げて今の5%にした時、税収は翌年4兆円超も落ち込んだことを忘れてはなりません。消費税率が上がれば国内の消費意欲が減退し、日本経済の縮小につながります。また、企業はコスト削減を求め、海外に生産拠点を移し経済の空洞化が進みます。
設備投資を控え、企業の下請け中小企業が倒産しリストラが進み雇用状況が悪化するでしょう。その結果経済格差が進み、低所得者、障害者などの生活弱者が苦しむ事になります。(負担がどれほど増えるかは、大和総研が試算した資料を添付しますのでご覧ください。)治安の悪化などにもつながるでしょう。とにかく先ず国内の経済基盤を回復させる事が最優先です。幸い日本は世界に負けない技術力や、世界一の勤勉性を持っています。官民一体の経済対策を政治主導で進める事ができるはずです。経済が回復してこそ雇用環境も改善され、初めて福祉充実等の為、消費税率を上げる環境が整うのです。
〇 よく聞かれる質問について回答します。
•Q.消費税率を上げて国の収入を増やさないと、ギリシャのように国が破綻するのではないか?
•A.ギリシャのような小さな国と経済大国日本とは同一視できません。また、ギリシャの国債は大半が外国に買ってもらっています。(GDP30兆円、国家予算12兆円に対して対外債務250兆円)外国に支配されている国債は危険です。
しかし、日本の国債はほとんどを国内で所有しています。よって自国の経済を自国で支えている日本でギリシャのように簡単に国が破綻するようなことは全くありません。
•Q.日本の世界信用格付けが下がり、世界から相手にされなくなるのではないか。
•A.最近の円高状況から分かるように世界的に見て、円の信用は厚く日本は世界経済の中心にいます。
もちろん、円高による輸出産業の停滞、デフレによる経済の空洞化が起こっており、現状は決して安泰ではありません。ただ、この状況で今、増税が実行されれば、更に消費が減速化され国内需要が減り景気は悪化します。その結果、逆に格付けが下がる可能性は高いです。
けれども、格付けそのものが実体経済を全て反映しているとは言えないところもあり、格付けそのものに一喜一憂する必要はありません。
•Q.子供の世代に借金を残すことになるのでは?
•A.確かに、次の世代に借金を残すことは良くありません。大事なことは、借金(赤字国債)を減らすこと、或いは次の借金をしないことです。そのためには、まず景気の回復により税収を増やすことです。このデフレの中で消費税を上げたら税収を増やすどころか減収となるでしょう。過去の税率アップの際の事例を見ても明らかです。とにかく、いま大事なことは経済対策により税収をアップさせ借金(赤字国債)を減らすことです。名目経済成長なくして今日の財政赤字を大幅に減らすことはできません。
•Q.消費税率を上げるとどういう影響が考えられるか?
•A.消費税率がアップすると国内消費が停滞します。それは、小さな買い物だけでなく車や家などの高価な買い物にも影響します。その結果、価格が下がり大手メーカーは更に安い仕入れを求め海外に進出します。そのため、国内では生産調整が進み国内の系列会社の倒産、設備投資を控えるなどにより失業率が増加し、日本国内の経済自体が縮小してしまいます。そして、逆進性により生活弱者は更に辛い状況に追い込まれてしまいます。しかし、いずれ消費税率を上げることは、国民の皆様に広く負担をお願いする為に必要です。そのためにも、まず日本国内に強い経済基盤をつくり景気回復を図ることによって、初めて消費税率を上げることができるのです。
•Q.消費税率を上げなければ、対策はあるのですか。
•A.財政赤字解消の為に消費税を上げると言われています。
財政の赤字が拡大しているのは事実ですが、今の不景気で税率を上げても税収は増えません。平成9年に3%から5%に消費税を上げた時を考えると、確かに消費税は少し増えましたが、それを上回って所得税、法人税等々の税収が下がりトータルとしての税収は上がらず、前年と比較して4兆円超のマイナスとなりました。デフレ下において増税しても成果は得らません。
では、どうすれば財政赤字を解消できるかというと、10年以上の長きにわたって日本は名目経済の成長がありませんでした。だから税収が上がらないのです。名目経済を成長させることが重要なのです。それには、被災地の復旧、復興等の需要のある仕事を進めることによってビジネスが生まれ、雇用が生まれ、景気が良くなる、或いは内需振興の政策を打つことによって景気が良くなる。それからもっともっと金融緩和することによって景気が良くなる。等々の景気刺激策を大々的にやるべき時なのです。かつて、昭和金融恐慌のあと、高橋是清という大政治家が行った積極財政政策を見習うべきなのです。
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