4月の一言

今、消費税率を上げる時ではない。

 3月30日消費税増税法案が閣議決定され、政府は消費税を増税する体制を固めようとしている。しかし、この消費税増税法案には国民の反対が多いことも事実である。日本の財政が大変な赤字であることは誰しも認めているところであるが、問題は安易に消費税の税率を上げたからと言って、税収が増えないということに留意しなければならない。
 平成9年、橋本内閣において消費税率を3%から5%に引き上げたが、もちろん若干の消費税の増収はあったものの、消費税増税によって経済は落ち込み、所得税、法人税が大幅に下がった結果、トータルとしての税収は落ち込んでしまった。これに見られるように、また世界の歴史を見ても分かることだが、とにかくデフレ下で、つまり景気の悪い時に消費税率を上げて税収が増えた国家はない。消費税率を上げて税収を増やすのであれば、景気を良くしていかなければならない。
 消費税増税法案を作るにあたって、党の全体会議では景気悪化時に増税を停止するという景気弾力条項を織り込むべきだとか、経済成長率などの数値目標を明記すべきだという法案の修正をめぐり白熱した議論があったが、最終的には前原誠司政調会長への一任というかたちで党の了承が強引になされ、これに基づく閣議決定に至ったが、こうして景気弾力条項が曖昧なままできた法案であるので、今後、党内対立を抱えたまま国会で議論されるのであり法案の行方は不透明と言えよう。
 また、この消費税増税法案を見る限り、2014年の4月に8%、2015年に10%と、現在の5%から見れば国民負担の非常に高い水準が早々にやって来ようとしている。今日の経済状況を見る時、どう考えてもこれは拙速の感を免れることができないだろう。
 今なすべきことは、そもそも消費税増税を考えるよりも、財政健全化を図るには政治改革・行政改革等を含めた無駄な予算を切り詰めることに加えて、経済成長率を上げていくことに力を注ぐべきである。しかも、今年は被災地の復旧・復興のために大幅な予算が組まれており、この予算を消化することによって被災地を復興させるだけではなく、そこから端を発した日本経済全体の成長が見込まれるという状況にある。更に、今年はアメリカも大統領選を考える中に、景気を良くしなければならないという思いから、アメリカの金融政策も金融緩和の方向に向かっており、日本としても金融緩和という形で金融政策を活用した経済の成長も図ることが出来る環境を迎えようとしている。幸い円・ドルレートも1ドル70円台から80円台に推移している。この円安の流れを金融緩和政策等で環境を整えることにより、円安方向に誘導し景気回復を図っていくならば、今年あたりは相当の税収の増大がみられる訳であるから、何もあえて消費税論議に走る必要はないと思われる。

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