10月の一言

原発事故問題を直視して、本格的な対策を立てるべき時

最近、東電福島第一原発で作業ミスによる汚染水漏れ等のトラブルが相次いでいる事により国民の不安が高まっている。
2年前の3.11で福島の第一原発は一号炉・二号炉・三号炉が爆発によって破壊された事は誰しも知るところであるが、その後、放射線量が高いという事もあってどれくらい一号炉・二号炉・三号炉が棄損したかについては詳細なデータが公表されるに至っていない。率直に考えて、冷却水をどんどん入れて原子炉を冷やし、その冷却水は回収しているにしても、その全てが回収されるわけではなく原子炉の壊れたところから漏れて流れている可能性が十分に想像される。私は、常にこの問題は完全に原子炉の底を覆うグラウト工法で処理すべきだと主張してきた。このグラウト工法は日本が得意とする技術である。また、費用的にも安価で確実な工法である。更に、福島原発の領域を全て覆ってしまう工法で、山から流れてきた綺麗な水を汚染水の含まれた土を通さずに海へ流すことが可能となる。政府でも、凍土方式等で対処するという話は出ているものの完全にそれで汚染水漏れがうまくいくのかという事については確たる根拠がない。一日処理が遅れれば、それだけ壊れた炉心から放射能が出てくる事は目に見えているのであり、地下水の問題のみならず海洋汚染という形でどんどんと広がっていく事も十分に予想される。
政府としては一日も早く実態を出来るだけ探求することで、従来のタンクに水を貯めているという方式ではなく、グラウト工法(すっぽりと覆う方法)で処理しない限りこの問題は本質的な解決にならないという事を認識すべきである。2020東京オリンピックが決定したものの、今のような状況がだらだらと続いていたのなら、肝心のオリンピックが近づく頃にはますます国民の不安、あるいは世界の不安が高まる事は必定である。まさにこうした物事の本質を解決する覚悟がなくてはならないだろう。
更に言うならば、福島原発に近い地域については放射線量が安全な水準に下がったとしても、戻ってくる住民の人数が十分でなければ、町や村、地方自治体は成立しない。むしろ思い切って、町ぐるみ・村ぐるみの大掛かりな安全地帯への移転という事もそろそろ総合的に考えるべき時に来ているのではないだろうか。

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