6月の一言

小選挙区制度が日本の政治をダメにした

 かつて政治に金がかからない、また政権交代をしやすくする等の点を挙げて政治改革と銘打って推進された小選挙区制であったが、当時私が危惧して反対した通り、この選挙制度が日本の政治から活力を奪い結果として今日のレベルの低い政治を実現することになった。
 最近、比較的当選回数が多く、従って中選挙区制での選挙を経験している政治家が超党派で集まって中選挙区制に戻す議連がとうとう誕生した。流れが加速することを願うものである。元々、次の衆議院選挙は一票の格差を是正しなければ違憲状態という最高裁の判断がなされたところであり、日本の国会はこれを真摯に受け止めて小選挙区制の区割りの見直しをしなければならない。衆議院は来年の夏で任期満了を迎えることになり、それまでに抜本的な改革案が出来る見込みは薄いために、今の小選挙区制の区割りを多少いじる程度で終わることになろうが、その次の衆議院選挙には今の流れから言うと中選挙区制が現実味を帯びることになるであろう。
 安定的な政治体制を確立することが望まれる以上、いずれにしてもこの国会に人材、すなわち自由に発言出来る政治家を迎え入れなければならない。私の経験から言っても小選挙区制の最大の欠点は、時の権力者が強固に自分自身の主張を通そうと思うと、賛成論が圧倒的な多数を占めていれば問題が多数決で決定できるが、実際は少数かもしれないと思った時は、言論の弾圧を行って強権的に己の主張を通そうとする。小泉郵政解散の時も自民党の多くの議員が竹中民営化法案に問題ありと反対していたのが事実であり、また今日、野田首相が進める消費税法案も実は党内に反対意見が満ち満ちている。そういう反対意見を踏みにじり、国会議員の言論を弾圧しながらの主張を通すということは、結果として国会議員の言論の自由を奪い、そして己の信念を形作っていく努力を放棄させ、権力にゴマをする哀れな政治家を作り上げることになるのである。
 今日の小選挙区制の弊害は政治家の個々人の言論の自由を奪う上に、政治資金の非常に不合理な、すなわち権力者の自由勝手な配分を許す制度である政党助成金の制度がこれに加わって、政治活動の自由を著しく制約している。現行の制度の大幅な見直しなくして日本の政治の活性化はない。すなわち本来あるべき政治が、権力者によって蹂躙されるという恐ろしい政治の退廃を生んでいるということに気がつかなければならない。

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