2月の一言

現行の選挙制度(小選挙区比例代表並立制)を変えなければ日本の政治は良くならない

 昨年3.11の大震災から間もなく一年にもなろうとしている。この間、現地の復旧・復興は瓦礫一つとっても遅々として進んでおらず、また放射能の収束にも時間がかかっており、その見通しも不透明だと言わざるを得ない。これに象徴されるように日本の政治の劣化は著しく、国際的にも日本の地位は低下してしまっている。もちろん政治家自身に大きな責任があることは言うまでもないが、この政治の劣化は日本で近年実施された選挙制度にもやはり起因している。国家国民の為に働くことのできる政治家が、選挙で選出される為には本人の努力は当然であるが選挙制度が大きく関係する。
 かつての顔の見える選挙制度であった中選挙区制は、現在の小選挙区制よりも遥かに優れているということが議論されるようになってきた。その思いを受けて今、党派を超えて選挙制度改革論議が議論され始めている。私もかつて自身の経験を通じて中選挙制から小選挙区制への選挙制度改革に激しく反対した者の一人である。その当時、私は徒手空拳で当然、党の公認を得られず無所属で立候補し二度の敗北を経て、やっと公認を取って初当選した時であり、巡り合ったこのテーマにおいて徹底して小選挙区制が政治の改革にはならないということを繰り返し主張したが、風のように湧き起ってきた政治改革=小選挙区制というマスコミのキャンペーンに足元をすくわれ、衆議院選挙で敗北を喫した。
 当時、私は自民党に在籍しており「こんなおかしな選挙制度(小選挙区比例代表並立制)にしたら自民党も日本も滅びる。」と主張した。
 それまでの中選挙区制では選挙区の定数は2議席以上であり、有権者は同一政党中の複数の候補者から1人の候補者を選んで投票することができた。そして、得票順に定数までの候補者が当選となる。小選挙区制にあっては党が決めた公認候補者が1名しか立候補できないため、有権者に選択の余地はない。また、各選挙区1名の候補者では、いくら志を持った優秀な若者でも新人の進出は困難となる。同じ党に所属していてもこの人はいいけど、この人は問題がある。そういう切磋琢磨があって有権者は「これは」という候補を選ぶことができるのであり、レベルの高い政治家を生み出すことができたのである。この明朗で民主的な制度こそ、日本が考え出した世界に冠たる中選挙区制度だった。
 また、私が問題だと主張したのは比例代表制、つまり『名簿拘束式』比例代表制である。一口に『比例代表』と言っても色々な種類があるが大きく分ければ、予め党が決めた順序で当選していく『名簿拘束式』と、各候補者の得票数順に当選していく『非拘束式』がある。いずれも政党得票数と議席数が比例するのは同じであるが、獲得した議席をどうあてがうかに違いがある。前者の『名簿拘束式』は党執行部に権力が集中し党の独裁状態となるため、政治家同士の『ゴマすり競争』となり党の権力者の顔色をうかがうだけのロクでもない政治家しか出てこなくなる。有権者が国会議員をストレートに選ぶべきだというのが私の考えであった。

 このように当時私が主張したことがその後明らかとなり、国会議員の間で小選挙区比例代表並立制の弊害が語られるようになったことは今になってという思いが私にはあるが、いずれにしろ議論され始めたこの選挙制度改革を、国民の皆様にご理解いただき、また議論もしていただきながら日本に合った選挙制度を築き、政治家の切磋琢磨の中に政治家のレベルを上げることが大事ではないかと考える。

Copyright© 2007-2016 Office Koki Kobayashi All rights reserved.