3月の一言

真の独立国家には外国占領軍はいらない

去る2月24日、テレビ東京が開局55周年を謳って日本の戦後の大宰相として著名な吉田茂元総理を「アメリカに負けなかった男」と題して描いたテレビ番組が放映された。
戦後アメリカの占領下に置かれた日本を一日も早く独立させようとして、サンフランシスコ講和会議に日本の独立を持ち込んだ政治家のリーダーとして吉田氏が描かれていた。彼を支えてその後の日本の総理にもなった池田勇人氏、佐藤栄作氏、田中角栄氏、宮澤喜一氏等が登場し、日本の戦後政治の軌跡が描かれたものとして見ごたえのある作品であり多くの方がご覧になったと思われる。
当時の国際状況の中ではやむを得なかった選択として吉田元総理の功績は高く評価されて然るべきであるが、作品中でも指摘されていたように今日も尾を引く大きな問題である日米安全保障条約問題について取り上げたい。
当時の世界情勢は既に米ソ冷戦構造がはじまりアメリカの懸念は対ソ戦であった。日本が独立すれば国際常識から占領軍としての米軍は日本から撤退しなければならない。しかし対ソ戦の戦略上、日本に米軍を置き続けることはアメリカにとって絶対に必要であった。また日本にとっては、アメリカが日本の独立を納得し、認められる必要があった。そのような経緯から独立後の引き続きの米軍駐留には日本からの要請という形を取らなければならず、平和条約調印の日、吉田元総理だけが一人呼ばれ、建前上は日本の安全保障という理由でアメリカの本音である米軍駐留を決定する日米安全保障条約が結ばれたのである。結果として、米ソ冷戦構造が終結して、かつての占領国ドイツからも米軍が大幅に撤退していく中でも日本だけは旧態依然として米軍駐留が続き、経費負担等、日本財政の圧迫も続いている。
それだけではなく、沖縄の海を埋めてまで新基地建設を強行したり、1都8県にまたがる空の主権は、横田基地のためにアメリカに奪われたままであり、日本の空の利用に多大な支障をきたしていても、米軍がいることが日本の安全にとって必要だという固定観念は日本国民に刷り込まれており結果として現状を受け入れている。
日米の関係性は日米交渉にも大きく影響を及ぼしており、遡れば、アメリカからの年次改革要望書に従った郵政民営化問題も、国益を損なう法案であったにもかかわらず当時の小泉総理が国益を重んじて一法案に反対した政治家を自民党から追放し、マスコミ主導のもと本質が議論されることはなく国民が黙認させられた。この暴挙は日本の発展を考える愛国的政治家が乏しくなった今日の政治状況に繋がっていると言わざるを得ない。
令和の新時代、まさに日米安全保障問題を根底から考え直す時である。
日米同盟を必要としても平時の米軍の駐在は不必要だというプライドある独立国としての考えを国民に理解してもらうことによって、対米自立を実現し、明治の頃世界に名をはせた独立自尊の日本の伝統を取り戻さなければならない。
そして、アメリカの圧力を払いのけ、日本独自の経済路線を歩むことを可能とすることによってのみ、すべての国民が豊かになるという諸外国に例をみない日本の豊かさを回復することができると考える。

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